UIデザイナーが語る!ゲームと落語の絶妙な関係

UIデザイナーが語る!ゲームと落語の絶妙な関係

はじめに

はじめまして! ドリコムでUIデザイナーをやっている古城です。
唐突ですが皆さんは落語を聞いたことがありますか?

「難しそう…」「古臭い」「面白いの?」

うん!そうですね! 自分もそう思っていました!
でも実際触れてみると、とても親しみやすくて面白い大衆娯楽なのです。
そう!ゲームと同じ!
みんなを楽しませるものなのです!

落語ブームらしいですよ

夜の新宿末廣亭。良くも悪くも古い趣きがある。2階席もおススメ。

実は何度目かの落語ブームだそうですよ!
確かに寄席に行くと若い人も多く、確かにそうなのかも……。土日は満席で座れなかったりしますし、朝から並んでいる人も多数おります。
アニメ化/ドラマ化された「昭和元禄落語心中」の影響も大きいのでしょう。
新宿末広亭は物語中でモデルとなった寄席でもありますし、いつ来ても大層賑わっています。
最近はカフェや居酒屋などで落語を聞けるところがありますし、すそ野は広がっているようです。

さてその落語。もの凄く端的に誤解を恐れずに言うとひとり コントです。
ひとりで登場人物の全てを演じ切るお芝居です。

そう聞くと難しい感じがなくなりますね!途端に敷居が低くなりました!

そうなんです。落語もまたエンターテインメントなんです。

落語家さんはネタを面白おかしく喋って、人々を笑わせる。
僕たちはゲームというエンタメを作って、人々を楽しませる。

ほら、似ている!

落語の世界観 

頭山ってこんな感じかなぁ……。

落語もゲームも言うなればエンターテインメントです。
人々を楽しませるため、なんだってやります。

よく伝統芸能的な扱いを受ける落語ですが、そんなお上品なものではありません。
時にタガが外れたとしか思えない無茶苦茶な世界観を見せることがあります。

「頭山」という話があります。

ある男の頭から桜の木が生えてきて、それを見たご近所さんは大喜びでお花見開始。
もう始まりからカオスなんですが、ともかく連日のどんちゃん騒ぎに怒った男は桜の木を引き抜く。
すると抜いた跡にぽっかり大穴が空いているではありませんか。
そして今度はそこに雨水がたまり池になる。
大喜びで魚釣りを始めるご近所さんたち……。

ファンタジーすぎる……。
もう面白ければ何でもありなのが判りますね。

キレッキレなプランナーが、突拍子もない企画を語りだすのと似ています。

他にも怖いはずの化け物を使役しまくる「化け物使い」、
人間になった犬の話「元犬」、幽霊と狐の女房をもらう「天神山」……。

どれもゲームにできそうな話ばかりじゃないですか!
「人々を楽しませる」その点で落語とゲームの共通項はたくさんあると思うのです。

かつてサバッシュというゲームがあった

圓丈師匠、まだまだ現役です。

さてさて。似ているというだけではなく、ゲームと落語はもっと密接な繋がりがありました。

三遊亭圓丈という人がいます。めちゃくちゃな新作落語を作る人です。

手が机に張り付いて離れない男の話「ぺたりこん」、
マッターホルン山頂でうどんを打つ「遥かなるたぬきうどん」、
ペンキ屋VSミミズの「白い螺旋階段」……。

ああ、良い意味でめちゃくちゃだ。

そして圓丈師匠はめちゃくちゃゲーム好きでもありました。
好きが高じてついにゲーム制作に手を出します。

そして作られたのがサバッシュというRPGでした。

企画からシナリオまでがっつり担当。
本業が別にある人とは思えない働き方です。
うん……本気過ぎます。
そう開発会社と喧嘩して途中で仕事を投げ出したりするぐらいの本気度。
本気だからこその喧嘩です。

それでまぁすったもんだありましたが、これがそこそこ売れて、それなりに人気でした。
そう……続編を作る話が出るくらいには!

すぐにサバッシュ2の開発がスタート。
再びシナリオから何から何まで担当する師匠。今度は喧嘩しても投げ出さず。

そして……。

5年が経過しました。

ええ……!?
開発期間5年ですよ! PS4の大作並ですか!
本業は大丈夫なのか?落語協会から怒られないのか?ホントに喧嘩してない…?という心配をよそにとにかく完成。
当時としてはとんでもないボリュームかつ自由度の高いRPGで、マニアックな人気がありました。

そんな本気でゲームを作っていた落語家がかつていたのです!(いまも現役です)
いいですか!みなさん!
ゲームと落語の蜜月はここから始まったのです!(ばばーん!)

ゲームをネタにする落語

出演者の名札が、そういうトレーディングカードゲームに見えてくる……。

さて落語からゲームに対するアプローチは続いています。
ドラクエ落語なるものが開催されました。2018年です。
最近ですね。

「スライム家ぷる蔵」「ホイミ亭ほいみん」さんなる限定亭号まで用意して、
ドラクエにちなんだ落語が披露されました。

ほらもう楽しそう!!
https://www.oricon.co.jp/special/50867/


そしてご存じでしたか……
世の中には「ドラゴンほめ」「インスマウス長屋」という演目があるということを…

そう!TRPG落語なるものがあるのです!
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/190405a


まだまだありますよ!
なんとトレーディングカードゲームまで出ているのです!

「真打・シンウチ」
http://gamemarket.jp/game/shinuchi02/

落語のネタがカードになっているんですね~。
死神でトリを取りたい!

そうなんです。
あまり知られていないかもしれませんが、ゲームと落語は遠い関係ではなく、
ゲーム黎明期から近しい関係であったのです。

どちらも同じ「人々を楽しませる」娯楽なのですから、ものすごく年の離れた親戚のようなものかもしれませんね。
とはいえ落語界からのアプローチが主となっているので、そろそろゲーム業界からも手を伸ばす時期なのではないでしょうか。

いささか閉塞感を感じつつあるゲーム業界。どういう道を辿れば良いか、ヒントがそこにあるのかもしれません。
落語は歴史の荒波に揉まれるも、しぶとく生き残ってきたエンタメの大先輩ですからね!

むすびの一番

寄席だけじゃない。最近は劇場でやったりもします。

さてさて。こんな話でよいのかと思いつつ、好きなことを好きに語れる場があるのは幸せなことだと思います。
好きなことをやれること、楽しく生きること。たまにぼんやり落語を聞くこと。
それが幸せってやつなんじゃないでしょうか。
……何の話でしたっけ?

そうそう。

実は密かにドリコム寄席をやりたい……という野望を持っています。(密かじゃなくなった)
それについてもいつか語れる日が来ると良いなぁ。
高座のあるオフィスって素敵じゃないですか。最高。

……そんな夢語りで終わりにしたいと思います。
ご清覧ありがとうございました。

(完)