ドリコムで8年も働いてたら図らずもCTO室で技術戦略を立てていた話

ドリコムで8年も働いてたら図らずもCTO室で技術戦略を立てていた話

こんにちは、Smith (@do_low) です。

このメディア「Dash!」が、ついに公開されたことにホッと胸をなでおろしています。
しかし、裏方であったはずの私に魔の手が忍び寄り、突如として自分にフォーカスした記事を自分で書け、というミッションを賜りました。
唐突な自分語りの要請に困惑していますが、Smith というフィルターを通してドリコムのことがそこはかとなく伝われば幸いです。


わたしとドリコム

8年も働いちゃったよ。もうすぐ義務教育卒業できるよ。困ったな。

入社のきっかけ、そして働いてみて

8年前の転職当時はバブルだったソシャゲ。
捻くれ者の私はソシャゲ以外の事業もやっているというドリコムに好感を持ち、軽い気持ちで中途で応募しました。
それがドリコムとの付き合いのはじまりですが、まさかこんなに長くこの会社にいるとは思ってもおらず。

経営的な乱高下、始まったり終わったりする新規サービス、山師的なゲーム事業、でも上場企業。
会社の事業活動に応じて取り扱う技術も変わり、常に新たな技術への適応とプロダクトへのアウトプットが求められる。

私が人生に求める刺激と安定の塩梅に対して、ドリコムという会社はちょうど良いのかもしれません。
ドリコムにはあらゆる問題・課題が常に蔓延していますが、それは常に変化し続ける会社であるからこその結果であり、非常に健全だと思っています。
たまに、ちょっと休ませてくれって思うけど。


乱高下するマシンに乗らんばかりの Smith

ドリコムをゲームに例えると

ドリコムをゲームに例えると、変化に富んだパズルゲームです。
ステージによってゲームシステムがぷよぷよだったりテトリスだったり、というかいきなり格ゲーになったり。
頻繁に変わるゲームシステムを速攻で掌握しなきゃいけない、同じステージが無い、長く遊んでいて飽きない・・・という所がドリコムのチャームポイントだと思っています。

おしごと

そもそもなんでエンジニアになったのか、っていう話にはちょっと変わった経緯があるんですが、もうそこそこおっさんだし、そんなに昔のことを話してもしょうがないので、また別の機会に。

職務経歴

Smith はドリコムの何者なんだ、というところの導入として、ドリコムでやった仕事を並べてみました。

  • 広告事業 / iOS/Android SDK 開発・保守
  • 広告事業 / Rails サーバ開発・保守
  • 子会社 / cocos2d-x カジュアルゲーム量産
  • 広告事業 / Unity SDK 開発
  • ネイティヴゲーム / cocos2d-x ゲーム基盤開発・保守
  • ネイティヴゲーム / Unity ゲーム基盤開発・保守

ここから現在進行系。

  • HTML5 ゲーム / HTML5 基盤開発・保守
  • HTML5 ゲーム / HTML5 基盤開発プロデューサー
  • HTML5 ゲームプラットフォーム / フロントエンド開発
  • HTML5 ゲームプラットフォーム / サーバ開発
  • Tech Inside Drecom / プロデューサー
  • 部長職・マネジメント
  • CTO室メンバー

改めて並べてみると、スキルふわふわしてますね。

好きなエンジニア系業務は、どんな技術領域であれ下回りが好きです。
クライアントであればプラットフォーム連携やビルド周り、 Unity のネイティヴプラグインなど・・・
下回りの仕事の大半は、アプリケーション層と比較してもエンジニアの領分が広く、エンジニアの持てる技術や能力でアウトプット品質が決まる、というのが理由です。
ドリコムではそのような仕事に微力ながら多く関わらせて頂いています。

逆にモチベーションの上がらない仕事というのも当然あります
作るものが決まっていて、工夫や改善を反映する余地のない仕事は苦手です。
幸い、ドリコムではそういった仕事に出くわすことはほとんどありません。

本業

これとは別で、社内で起こっている出来事に首を突っ込んだり、時には巻き込まれたりするという本業(趣味と実益を兼ねたボランティア)も持っています。

  • 適任不明だけどエンジニアが必要とされる取り組みの支援
  • とりあえず何とかしなきゃいけない緊急技術課題の解決
  • 職掌間、チーム間、部門間のコミュニケーションハブの補完
  • 専任不在の社内外イベントの企画・運営や運営支援
  • 社内の問題に対する技術的アプローチでの課題抽出と解決
    etc…

本業でやることがなくなったら、いよいよドリコムでの私の役目は果たし、別の職場のことを考えるようになるんだろうなと思っていますが、そう思い続けて既に8年です。
本業の半分でいいから、誰かやってくれ。

振り返ってみると色々やってますが、少なくとも自分は技術が特別好きな訳ではない、という自覚はいつしか持つようになっています。
私が本当に好きだったのは問題や課題の解決で、たまたま得意なアプローチが技術だった。
なので、問題解決に必要なのがマネジメントで、それをやるヤツが他に居ないんだったら自分がやるしかないよな、という妥当な選択をしてきているつもりです。
割とドリコムはそんな選択を迫られるような無茶振りも多い。いい意味で。

Why!? CTO室 Why!?

今、関わっている仕事に CTO室と記載しましたが、どういういきさつで CTO室に入ったのか。
エンジニアのキャリアとして、その辺をやりたいと考えている方には気になるトピックかと思います。
しかし、私自身が CTO室ならびに CTO を目指していたわけではないので、回答としては非常に残念なものになってしまうかもしれません。

いきさつ

今から大体 1年半ほど前。
マネジメントの仕事も慣れ始めて調子こいてた私は、上長にひたすら「ドリコムが何をしたいのかわからないので、この会社で働くエンジニアのキャリアが指し示せない、来たるべき事業活動に備えられない」という文句をブーブー言っていました。
キャリアプランが示されなければ、具象技術で職が左右されやすい傾向にあるクライアントエンジニア(特にゲーム系)の生存戦略に関わります。
「Unity やってたらいいの?なんなの?誰か表に出てこいよ!」と。

後から気付きを得たのですが、「ドリコムが何をしたいのかわからない」というのは誤りで、実際は「ドリコムが何をするのか予測不能である」という表現が適切でした。
なぜならドリコムは、事業ドメインを意識的に定めず、常に発明を生み続けたい会社であるからです。
そのため、問題の本質は「予測不能であること」ではなく「予測不能であることがマネジメントまで明示されていない」が故に、「予測不能であることを前提としたキャリアプランが提示できていない」というところに帰着します。

当時はそんなこともいざしらず。
早急に技術戦略が欲しいとしつこく糾弾し続けている内に、気づけば技術戦略を考える CTO室が出来上がっており、自身がそのメンバーになっていました。
おいおいマジかよドリコム。

CTO室を使ってやりたいこと

いま CTO室でやらせていただいている仕事は「早々に技術戦略を立てて、エンジニアが安心してキャリアを積めるようにしたい」、「ちゃんと事業計画に沿ったキャリアを指し示したい」といった誰も何も考えていなかった(ように見えていた)課題を解決したい、というモチベーションが原点であり、それができれば CTO室じゃなくても何でもいいと思っています。

しかしながら、技術戦略然り、最近になって目に入る問題の数々は、CTO室を使わなければ解決が難しい類のものが多いように見えるため好都合です。
これは単純に、ここしばらくの立場によって視座が変わったからでしょうか。

ドリコムでなにか不満を言い続けていれば、自分がそれを解決する立場に(気付いたら)なってるので、非常に手っ取り早くて助かりますね。

あいつ、技術戦略たてるって

じゃあやれよ、って言われたので無い頭を捻って技術戦略というものを考えているのが 2019年下期。
現時点でうすぼんやり見える会社の中期計画と鑑みて、技術戦略素案を「発明したいから技術の基礎を固めて適応能力高めようぜ(超意訳)」という旨の指針を元に打ち出しています。

予想外の技術指針

打ち立てた技術指針は 1年半前に私がブーブー提起していた問題を解決するものですが、その内容は当時の自分が想像していたような技術指針とは大きく異ることに自分でも驚いています。
昔は技術戦略といえば「この先 2,3 年は Unity やり続けるからそこに金かけてくぜ!」みたいなものを想像していたのですが、ドリコムの性質上、ゲームの具象技術推進を全社のレイヤーで出すのもなぁ、という感じです。
もしもそれを打ち出すのなら、一段下がって事業部としてか。

あらたな かだい が あらわれた!

技術戦略の大方針は定まりましたが、目下、頭を悩ませている課題があります。
特にクライアントでは、様々な事業に柔軟に適応出来るような人材の採用は戦略的に進めてきませんでした。
そのためこの大枠では、現在ドリコムで働いてくれているエンジニアのキャリアプランから逸脱する、と誤解されかねません。
今、ドリコムで働いてくれているエンジニアが不幸にならないように、キチンとキャリアのイメージができるように肉付けする必要がありますが、社内のエンジニアが自身のキャリアをどう考えているかは本人に聞いてみなけりゃわかりません。

思い立ったが吉日、しゃらくさいので社内のエンジニア全員へのヒアリングを始めることにしました。
単純に、従業員が増えて知らない人も増えたので仕事がやりにくかったり、VPoE が不在の中、少しはそういう情報を集約したかった、という私個人の本音もモチベーションです。

本稿執筆中ではヒアリング道半ばですが、現段階でも予想以上の気付きや学びを得られています。
社内にどのような色のエンジニアがいるのか、それがどのくらいの割合いるのか、何を大事にしているのか・・・
技術戦略を定めても、今後のドリコムを支えてくれるエンジニアにマッチしなければ意味がない。これがちょうど今、解決しようとしている課題です。


あらたな かだい に うちのめされる Smith

個人のキャリアのはなし

ドリコムの技術戦略、なんて肩の凝りそうな話が続いたので話題を等身大に戻しましょう。

この先、私はエンジニアとしてどういう道を行くんでしょうか。
スペシャリスト?マネジメント?それ以外?よくわかりません。
残念ながら待遇にも高い関心は無いので、家族にそんなに贅沢させられるイメージがありません。
全社のエンジニアにヒアリングしておいて、自分がこのザマです。
(このことについて私は困ってませんが、どうやら上長が困るみたいです)

問題・課題の解決を通して周囲の人や世の中に良い影響を与える、それが仕事をする意義だと私は考えています。
そのために有しているスキルは、かっこよく言うとジェネラリスト、実態はクソ器用貧乏。
しかしながら、いかなる職能も問題・課題を解決をするための手段なので、問題・課題が尽きないこの世の中では、食っていくことと自己研鑽のネタには困らないでしょう。
一周回って、それは問題・課題の解決を生業とするエンジニアの生き様だと思っております。
ドリコムも、そんなふわっとした私を野放しにしてくれるくらいには寛容ですし、私に的確な仕事やチャンスをそこそこ提供してくれているように感じます。非常に生き易い。

CTO室でやらせて頂いていることは乗りかかった船の貴重な経験です。
そして、こう言ってはなんですが非常に面白い問題の数々を取り扱っています。
ただ、それをやるのに私よりも適切な人材が出てきたら早急にバトンタッチする。
その後はまた別の問題解決にあたるために、どっかをフラフラしてるんじゃないかな、と思います。

おむすび

あまり自分のことをガッツリ書くという機会はなかったので、それが陽の目にさらして良い内容かどうかは判断つきません。
問題・課題へは真摯に対応してるつもりなので、少なくとも悪いことは書いてないんじゃないかな・・・と思いつつも戦々恐々です。
末筆ですが、私や私が今取り組んでいる課題を通してドリコムという会社のエンジニアや社風、雰囲気などが多少なりとも感じ取れたら幸いです。

2019/12 吉日